日本料理は、「割主烹従」といって、切ることが上位であるということが昔からよく言われています。日本料理の究極を言い表しています。
日本の包丁、片刃によって切ることがすべての基本であり、よく切れていなければ、そのあとの工程は何をしてもうまく仕上がりません。
包丁で切るということは、日本料理の大事な技術なのです。
包丁を入れてあることによっての仕上がりのおいしさを知る、それが日本料理の素晴らしさです。
切ることを理解してよく研がれた包丁は、技術がないと使いこなすことができません。
技術と道具が揃うと、包丁の切断面がちぢれたように切れて、このノコギリ状になる切断面は細かくなります。
上からの圧力、刃の長い直線、下ろす角度、引くスピード、よく切れる包丁で的確に切ると細胞から旨みが逃げ出しません。活け絞めされた生体組織を切る、つまり繊維を切るわけですから、切断面が細かければ細かいほど細胞が壊れずに、エキスを失わないということです。
繊維質を壊さないで切ると切断面は滑らかになり、食べるときに舌の上で滑ります。
切ることが味を表現するのが刺身という日本料理です。



